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■透析治療をこれからはじめる方

(1)これからシャントを作る方

シャント手術後、運動すると良いと聞きました。具体的にいつからどんな方法ですると良いでしょうか?
手術後といっても、手術当日に運動をしてよいわけではありません。
また、運動は人によって違いがありますので、主治医の先生の指導にしたがって運動をしましょう。

運動を開始する時期ですが、少なくとも手術の翌日には、運動を開始しても構わないと思います。

運動すると、手術のキズが付かなくなる、などと言うことはありません。
けれども、例えば運動によって汗をかくと、その汗により傷口からバイ菌が入って、感染を起こすことも絶対にないとは言い切れません。
その意味からは、抜糸がすんでからの方が安心かも知れません。

運動の内容ですが、握力をつけるような運動がよいとされています。

それで、やわらかなゴムまりを握ったりはなしたりする運動が勧められます。テレビを観ながらでもできる運動です。
根気強く、長く続けることが大切なのですが、決して楽しい運動ではなく、むしろ単調な運動なので、長続きしない方が多いのが、この運動の欠点です。

握ったりはなしたりする運動、ということで、スポーツ用品店などで握力をつけるためのハンド・グリッパーといった器具をお買い求めになる方がいらっしゃいます。いけないわけではありませんが、お金がもったいないと思います。

100円ショップで売っているゴムまりで十分ですので、できればやわらかくて、握った時にちょうどよくつぶれて、手が疲れないものを選んでみてください。
シャントはどのくらいもちますか?
「その方によります。」というのがお答えになってしまいます。

10年以上もっている方もいらっしゃいますが、早い方では半年くらいで作り直しが必要となることもあるのです。

もちろんシャントが長持ちして、手術をしなくていい期間が長いのにこしたことはないのですが、シャントはいつかは止まってしまうものです。

一度閉塞してしまうと、再閉塞をしやすいか?ということも、よく質問を受けますが、これも、その方の血管の状態と血液の状態によります。

血液の状態でお話しをすると、糖尿病をお持ちの方はどうしても血液が固まりやすいために、シャントが閉塞しやすいということがあります。

ですから、糖尿病を原疾患とされている方の場合、たとえばですが、シャントが7年間もったのであれば、(作り直しは)決して早い方ではないと思います。

(2)シャントを作りにくいと言われた方

シャントを利き手でない左腕にする予定ですが、血管が細くて、手術がやりにくいといわれて心配です。
血管が細くてシャントで苦労をされる患者さんが増えています。

できる限り、自分の血管でシャントを作りたいのですが、いい血管が見つからないときには人工血管を移植することもあります。

また、左手でできないときには右手(利き手)に作らざるを得ないこともあります。

利き手にシャントを作られると、透析中に利き手が使えずに不便ですが、透析中以外は普通に使うことができますので、右手にシャントを作ることになっても、日常生活には大きな支障はないとお考えいただいてよろしいと思います。
シャントの手術を行いました。血流の音が弱いとのことで様子をみるといわれました。きちんとできているのでしょうか?
透析で使用するシャントの手術を行ったとき、血流がよくないのは、多くの場合、その患者さんの血管が細いからです。

血管の太さには、体格と関係なく、かなり大きな個人差があります。
血管の細い方は、シャントで苦労されることが多いのですね。

ただ、手術直後に血流が悪くても、そのあとでだんだん血管が太くなってくることが、しばしばあります。

シャント手術直後から、血管に針を刺すことはありません。

主治医の先生が、いつ頃から穿刺をするかを決めてくれますので、それまでは様子をみていて大丈夫だと思います。

また、1つだけ申しあげさせていただきますと、少しでも心配に思われること、疑問に思われることは、主治医の先生をはじめとする、透析スタッフの方に、質問されることをおすすめいたします。

これから長く透析治療をなさるのですから、より良いコミュニケーションが構築されることをお祈りいたします。
血管が細くて深い位置にあり「シャント手術が難しい」とのこと。案の定「静脈が見つからない」とのことで手術は失敗。再手術をすすめられていますが、心配でなりません。シャントを上手に手術してくれるお医者さんを探すには、どうしたらよいでしょうか?
血液透析をお受けになる患者さんにとって、シャントはとても大切です。
命をつないでいる、と言ってもいいくらいです。
しかし、そのシャントで苦労をされる患者さんが多いこともまた事実です。

シャントがうまく作られるか、そのシャントが長持ちしてくれるかどうかは、次の3点で、ほぼ決まります。

1.患者さんの血管の状態(太い血管の方がよいのです)
2.患者さんの血液の状態
(固まりやすい血液だと、シャントが長持ちしないことがあります)
3.シャント医の力量

● シャント医に求められること

上記の1と2は、患者さんのお体の状態によります。
血管は細くて深いところにあるとのことですから、条件は悪いのです。

そうなると、3のシャント医の力量が重要になります。

シャント手術では、手術そのものの上手下手だけではなく、シャントのデザインもとても大切だと考えています。

デザインとは、手術の前に、どこらへんにいい血管がありそうなのか、その血管とどの血管をつなぐのがいいシャントになりそうなのかということです。
そういう戦略を決めてから手術に臨むのです。

ですからシャント医には、次の2のことが求められます。
A.まず手術前に十分な構想を練ること
B.手術中の手先の器用さ

● よいシャント医を探す方法

さて、上手なシャント医をどのようにさがすか? ですが、これは、とても難しいご質問です。

血液透析・シャントがあまり広まっている治療ではありませんので、口コミで情報を得ることはそれほどないと考えられます。

経験がものをいうことがありますので、症例数の多い病院であれば、シャントの成功率も高いであろうと、ある程度は推測することができます。

お住まいの地域で、一番透析導入数が多い病院を探してみることがヒントになるかも知れません。
いずれにしても、きちんと納得をされてから治療をお受けになることがとても大切です。
同じ先生に執刀をお願いするにしても、ほかの先生にお願いをするにしても、詳しい説明をお受けになって、十分に納得をされてから手術をお受けになることをお勧めします。

(3)シャントの作り直しを何度かしている方

シャントの手術を行いました。血流の音が弱いとのことで様子をみるといわれました。きちんとできているのでしょうか?
透析で使用するシャントの手術を行ったとき、血流がよくないのは、多くの場合、その患者さんの血管が細いからです。

血管の太さには、体格と関係なく、かなり大きな個人差があります。
血管の細い方は、シャントで苦労されることが多いのですね。

ただ、手術直後に血流が悪くても、そのあとでだんだん血管が太くなってくることが、しばしばあります。

シャント手術直後から、血管に針を刺すことはありません。

主治医の先生が、いつ頃から穿刺をするかを決めてくれますので、それまでは様子をみていて大丈夫だと思います。

また、1つだけ申しあげさせていただきますと、少しでも心配に思われること、疑問に思われることは、主治医の先生をはじめとする、透析スタッフの方に、質問されることをおすすめいたします。

これから長く透析治療をなさるのですから、より良いコミュニケーションが構築されることをお祈りいたします。
血管が細くて深い位置にあり「シャント手術が難しい」とのこと。案の定「静脈が見つからない」とのことで手術は失敗。再手術をすすめられていますが、心配でなりません。シャントを上手に手術してくれるお医者さんを探すには、どうしたらよいでしょうか?
血液透析をお受けになる患者さんにとって、シャントはとても大切です。
命をつないでいる、と言ってもいいくらいです。
しかし、そのシャントで苦労をされる患者さんが多いこともまた事実です。

シャントがうまく作られるか、そのシャントが長持ちしてくれるかどうかは、次の3点で、ほぼ決まります。

1.患者さんの血管の状態(太い血管の方がよいのです)
2.患者さんの血液の状態
(固まりやすい血液だと、シャントが長持ちしないことがあります)
3.シャント医の力量

● シャント医に求められること

上記の1と2は、患者さんのお体の状態によります。
血管は細くて深いところにあるとのことですから、条件は悪いのです。

そうなると、3のシャント医の力量が重要になります。

シャント手術では、手術そのものの上手下手だけではなく、シャントのデザインもとても大切だと考えています。

デザインとは、手術の前に、どこらへんにいい血管がありそうなのか、その血管とどの血管をつなぐのがいいシャントになりそうなのかということです。
そういう戦略を決めてから手術に臨むのです。

ですからシャント医には、次の2のことが求められます。
A.まず手術前に十分な構想を練ること
B.手術中の手先の器用さ

● よいシャント医を探す方法

さて、上手なシャント医をどのようにさがすか? ですが、これは、とても難しいご質問です。

血液透析・シャントがあまり広まっている治療ではありませんので、口コミで情報を得ることはそれほどないと考えられます。

経験がものをいうことがありますので、症例数の多い病院であれば、シャントの成功率も高いであろうと、ある程度は推測することができます。

お住まいの地域で、一番透析導入数が多い病院を探してみることがヒントになるかも知れません。
いずれにしても、きちんと納得をされてから治療をお受けになることがとても大切です。
同じ先生に執刀をお願いするにしても、ほかの先生にお願いをするにしても、詳しい説明をお受けになって、十分に納得をされてから手術をお受けになることをお勧めします。

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