合併症対策室

狭心症と心筋梗塞は、心臓自体に血液を送っている冠動脈という血管がつまっておこる病気です。冠動脈がつまると、心臓に送られる血液の量が減少するため心臓のポンプ機能が悪くなり、胸の痛みをともないます。運動した時などに胸が痛くなるが、安静にしているともとに戻る場合を狭心症、血管が完全に詰まって心筋(心臓の筋肉)が壊死を起こした状態を心筋梗塞とよびます。
透析を受けている方は、つねに体液の量が過剰であり、また血管の石灰化がおこりやすいため、 動脈硬化がすすんでいます。そのために、冠動脈もつまりやすく、 狭心症と心筋梗塞になる割合は、どちらも一般の方の約 10倍高くなります( 図 1 )。糖尿病や高齢の方は、更にこの割合が2倍から8倍高くなります。よって透析を導入されてから5年後には、糖尿病のない方は約3割、糖尿病の方では約半数の方が心臓治療(PCI、心臓治療)を行っています。( 図2)。

(図1)透析患者の狭心症の有病率と心筋梗塞の発生

(図2) 透析導入から心臓治療(PCI、心臓手術)をしていない方の確率

偕行会グループの心臓病の診断・治療の流れ