合併症対策室

消化管

透析をうけておられる方は、胃・十二指腸のびらんや潰瘍、出血など、消化管出血性病変が極めて多いことが知られています。ほとんどの方が腹痛などの症状もありません。わたしたちの追跡調査で、胃潰瘍、胃炎に関して一般患者よりも頻度が高いことが判明しています。

「胃潰瘍、胃炎に関して一般患者よりも頻度が高い」
消化器合併症の原因疾患

偕行会グループの消化管疾患の診断・治療の流れ

検査 - 便潜血スライド法

胃から大腸までの病変を推測し早期に発見するには、便潜血テストが最も効果的で簡便です。

「便潜血検査により早期大腸癌発見が増え、 内視鏡摘出ができ手術件数が減っている」
便潜血の定期的な検査による手術件数の推移

検査 - 胃・十二指腸内視鏡検査(胃カメラ)・大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

内視鏡検査とは口や鼻(胃カメラ)または肛門(大腸カメラ)から、先端に超小型のカメラのついた細長いチューブを挿入して、胃・十二指腸や大腸の内部を映し出して観察する検査です。胃や大腸の病気で粘膜に限局した比較的小さな病変は、内視鏡にて切除することが可能です。とくに大腸癌はある程度進行するまで自覚症状がありません。大腸癌は早期発見できれば内視鏡での治療も可能ですし、ほぼ100%完治します。
内視鏡は出血するまでに至っていない早期の癌を発見できるばかりでなく、癌化する恐れのあるポリープを内視鏡で切除することによって、癌を未然に予防することができます。
しかし 、癌のひろがりは切除した病理所見により最終的に決まるので、追加の治療が必要になることもあります。また、透析をうけておられる方は、治療中に出血や穿孔(胃や腸に穴が開く)などの危険が一般の方にくらべて高いため、医師とよく相談して決める必要があります。